2014年6月24日火曜日

【番外編・1:ベニスのホテル:『エリート・ホテル・レジデンス』と『パラッツォ・グアルディ』】 



●エリート・ホテル・レジデンス

 ベニス(ヴェネツィア)では2カ所のホテルに泊まっている。
 1つ目はベニス郊外のミストレという街の『エリート・ホテル・レジデンス』。
 ベニス本島のホテルは何しろ値段が高く、なかなかおいそれとは泊まれない。
 でも折角来たのだからと思って泊まったのが
 2つ目の『パラッツォ・グアルディ Palazzo Guardi』。

 『エリート・ホテル・レジデンス』は手頃で日本人の間でも有名で、数多くの宿泊感想がインターネットに載っている。


 
 実際、我々の他にも親子連れの日本人を見かけた。
 ローマ・ニューユーク・東京の3つの時計を掲げているところである。



ここの食堂はいい。
 朝食はバイキングだが、その品数と美味しさには絶対に満足する。
 お薦めのホテルである。



 ベニス空港から「15」番のバスに乗れば、ホテルの前で止まる。
 バス停は「Via Forte Marghera 5/5」である。



★ホテル・レジデンス「エリート」
http://www.elitehotel.it/travel/ja/hotel_near_venice.htm


2つ目の『パラッツォ・グアルディ』は水上バス停の「Zattere」から歩いて数分のところにある。


●左がファンタジアの埠頭、右下に「Zattere」とある。


●ザッテレの桟橋

 これがすごい。
 常識を超えたおもしろさ。
 運河沿い歩いていき、橋の手前で右に折れる。
 この道がなんと1m少々しかないような幅の路地である。
 この奥にホテルがあるって、本当か?
 ビックリマークである。
 先に行く若者たちが入っていったのが、そのホテルである。
 彼らもここの宿泊者である。
 ちょっとタジタジになる。




●[Palazzo Guardi:パラッツォ グアルディ ]は何処に?


●この路地のイメージをもう一度

 意を決してこのドアを開けて入ってみる。
 小さな玄関である。
 なんと、この3階にレセプション(受付)があるという。



  階段に挟まれる部分にはとってつけたような特別のエレベータがある。
 だが、故障中で動かない。
 おそらく永久に動かないのではないだろうか。
 どうみてもホテルではない。
 部屋貸しアパートといった雰囲気である。
 ここ泊まることになるのかと思ったらそうではない。
 手続きをしたら係の女性が降りてきて彼女の後ろについて、運河沿いをもう少々奥へ。

 何の看板も出ていない運河に面した黒い大きなドアをギーと開ける。



 ここからホテルが始まる。
 小さなロビーには何もない。
 階段を上がって左側、運河沿いが我らが部屋になる。
 部屋はこんな感じ。





 部屋からみる景色はこんな感じ。



 これを外からみるとどうなるのか。
 一階中央右寄りに見える大きな黒いドアがホテルの入り口。





 ドアの左右の窓のちょうど真上に当たる窓に挟まれた部分が泊まった部屋になる。
 とてもこんなところにホテルの部屋があるとは誰も思わないだろう。
 1階の青い看板の店はタバッキ(タバコ屋)である

 階段を上がって突き当りは食堂。
 20席ほどある。



 朝方は席が埋まる。
 ということは20人ほどがこの建物に泊まっていることになる。
 
 先の路地奥のレセプションのある建物にも部屋があり、宿泊客がいる。
 どうも空き家になった家を管理して、部屋を外部に宿泊用に貸し出している、といった様である。
 通常ならとてもお客を呼ぶことはできないが、昨今のインターネットの普及でパソコンで調べたお客さんがベニス島で安く泊まれるという絶大なメリットを享受すべく来訪するということのようである。
 我々もインターネットで息子が調べた『エリート・ホテル・レジデンス』や『パラッソ・グアルデ』を利用しているのであるから、さもありなんということになる。
 旅行社にいって調べて予約するわけではない。
 旅行社が契約していない宿泊施設に直接アクセスして申し込みをして、それを信用してやってくるわけである。
 旅行のシステムがドンドン変わってきている。
 こういう宿泊施設を何と呼ぶのだろう。
 日本風だと「インタネ民宿」ということになるのだろうか?

 なを支払いはあの狭い路地の3階のレセプションまで行っておこなう。
 このとき環境税として一人5ユーロ取られる。

 もう少し、このホテルを調べてみる。

パラッツォ グアルディ - booking.com‎
www.booking.com/Palazzo-Guardi‎
最安値保証! オンライン予約、ホテルでお支払い
★ホテル Palazzo Guardi で ヴェニス - 3 つ星 ホテル | HRS
http://www.eurobookings.com/venice-hotels-it/palazzo-guardi.ja.html
★パラッツォ グアルディの動画 - 動画でみる海外ホテル
http://www.mellowberry.com/info/1040663.html
★Palazzo Guardi Hotel - Venice - Italy 2014/06/05 に公開
http://www.youtube.com/watch?v=mkPjJc08s9w

このホテルの特徴は上の通り、すなわち
1].ベニスでは最安値
2].支払いは宿泊後で予約金もとられない
そして、日本語インターネットで予約できる。
 となれば、利用者は多いはずであるのだが。
 でも、日本語での宿泊体験談がいまのところ見つからない。

  また、イカスミパスタを食べたレストランはホテルの近くに限定して、アイフォンを使ってグーグルで「ベニスで安くて美味しいレストラン」で検索したものである。
 あの迷路のようなベニスの街をGPSでスイスイと渡って目的地に着いてしまう。
 若い世代はああでもない、こうでもないなんていう迷いがない。
 高度技術の知識に疎い世代は
 「老年時代の真ん中で、道に迷っているばかり」
となる。
 この現実は当分解消されることはないだろう。
 時代の移り変わりにまるで着いていけない「老年世代の屈辱的劣等感」は今後ももんもんとして続くように思える。

 今日の午前中にベニスではゴンドラ・カヌー大会が行われた。
 よってまだあちこちにその余韻が残っている。



 この運河沿いにはゴンドラの修理工房もあった。




【後日・補】
 「グアルデイ=Guardi」というのは18世紀のベニスの画家で、ベニスの風景を好んで描いたという。


●フランチェスコ・グアルディ  Francesco Guardi

フランチェスコ・グアルディ Francesco Guardi 1712-1793 | イタリア | 18世紀景観画家
18世紀イタリアを代表するヴェネツィアの景観画家。生涯をヴェネツィアで過ごし、同地で制作活動をおこなうが、1760年代から夢想的で叙情性に富んだ即興性の高い独自の都市景観表現を確立。それまでに無い詩情感の漂う印象的で近代的な作風は、当時のみならず現在も極めて高い評価を得ている。景観画、奇想画、祝祭画を主な画題としているものの、画業の初期には兄の影響で宗教画も手がけている。画家の作品の制作年代は不明なものが多く、その大半が後年に描かれたものであるとしか判明していない。1712年、高名な画家一族ドメニコ・グアルディ家の次男として生まれ、同じく画家であったジョヴァンニ・アントニオから同家の工房で絵画を学ぶ(※兄も名高い画家であった)。また同時に先駆者カナレット、マリエスキ、北方絵画から多大な影響を受けつつ独自の描写技術を習得する。その後、ヴェネツィアで制作活動をおこなうものの、1761年に兄ジョヴァンニ・アントニオが死去すると作風が一変、先人カナレットとは決定的に異なる、即興的筆触による幻想的で詩情に満ちた表現の都市景観画を制作するようになった。この独自的な表現様式による作品は同地の者のみならず外国人旅行者たちに高い評価を受け、没落に向かいつつあったヴェネツィアにおいて最後の芸術的輝きとなった。1793年、同地で死去。なお18世紀イタリア最大の画家ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロは義兄にあたる。 


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