今日は
『ようこそカタコロンへ』
であり、ここはオリンピック発祥の地であるオリンピアへのツアー基点である。
なを嵐がくるとのことで出港が5時間はやまった。
そのため各種ツアーは午前中に行われ早めの出発となっていた。
しかし、このツアーはパスする。
というのはせっかくのクルーズなので、このとんでもない豪華船をじっくり観察する日を設けたいという願望があったからである。
よって今日は一日だらだらと船旅を楽しむ日になっている。
シアターを見学したり、プールサイドでくつろいだりである。
ウイキペデイアによればあの戦艦大和は「6万9千トン」である。
ということはファンタジアは戦艦大和のちょうどぴったり2倍の大きさをもつことになる。
乗員数は「4,363人」と記載されている。
ウイキペヂアでは「船客定員:3274名(最大 3900名)」「乗組員 1313名」とある。
うちわで見積もっても約「3,000人」ほどのお客を乗せてクルーズしていることになる。
長さ「333メートル」、幅「38メートル」、高さ「67メートル」とある。
333メートルとは「1/3キロ」になる。
もしその長さを歩くことができるなら、5分かかることになる。
やはりすごい船である。
こんな日が続いたらあっと言う間にデブになってしまうのではないかと心配するほどである。
特に感激したのは魚があったことであるが、その中になんとニシンがあったのである。
あのカズノコの親魚である。
歯ごたえシャッキリのニシンなどここしばらく食べたことがなかった。
その魚にこのイタリアの地で会えるとは思ってもみなかった。
なを魚はほかにシメサバがあった。
私は料理を写真に撮るというのは大嫌いである。
しかし、このニシンには感激してつい撮ってしまった。
いかに興奮していたかである。
●ビールのおつまみ 炒り玉子とニシン
コヒーは「砂糖なしのミルクコーヒー」である。
ミルクは小さなプラスチックカップ入りのか、あるいはミルクつぎに入ったものが普通である。
どちらも冷えている。
よってミルクコーヒーは幾分冷めたコヒーになる。
ビッフェには「ラテ」がある。
ラテとはミルクのことである。
バーを押し込むとミルクが落ちてくるが、これが温ったかミルクなのである。
よって、コーヒーが冷めない。
ちょっとしたアイデアか、それともファンタジアの心遣いか?
と思ってしまう。
ミルクは温めると腐りやすい。
よって、取替え時期の工夫が必要になる。
取り替えるときは、温まったミルクは足がつきやすいので捨てることになる。
料金には上下があるが仮に平均で「一人15万円」とすると一週間のクルーズで「4億5千万円」が動くことになる。
半分を観光旅行業者の費用とすると、ファンタジア号の一回の航海には「2億円」以上の費用となる。
1年52週とすると50回の航海が可能だから年間でみるとこの船は約100億円の売上を計上する客船になる。
旅行業者等を含くめた観光の総合売上は「15万円×3000人×50週=225億円」となるのだが。
まあ大きな劇場がある。
夜はショーが行われる。
デッキ5からデッキ7までの3層吹き抜けのロビーで中央にホワイトピアノが置かれている。
ここでは各層にバーがありいろいろなイベントが行われる。
その奥にはカジノもある。
ただここで勝ったとしてもその戦利品は船の外へは持ち出せない。
このカジノの領域でしか通用しない。
ということは、同じ会社のクルーズへ乗れ、ということになる。
図書館があると聞いていたので行ってみた。
小さな部屋で本も僅か。
『図書館アリ』という宣伝文句のためにつけてあるようなもの。
ムダなスペースである。
日本語の本はもちろんない。
のんびりした船旅だろうからと思って文庫本を5冊もっていった。
とんでもないこと忙しくて忙しくて。
それに活字を追うくらいならコーヒーをプールサイドで、あるいは果物の美味しいビッフェでくつろいでいたほうがどれほど楽しいことか。
一ページたりともめくることはなかった。
●その持ち帰りになったうちの一冊がこれ、『ギリシャ・ローマ神話』。
参加しようしようと思ってついに出来ずじまいに終わったのが
「ファンタジア裏側見学」。
興味ある方は是非どうぞ。
きっと面白いと思います。
それはデイリー・プログラムやデイリー・スペシャルに掲載されている。
もし興味があるならページを拡大してチェックしてみて下さい。
乗船予定があるなら、見落としてしまうことはなんとしても残念なことになりますので。
だが、こんなことをしているのは日本人しかいない。
カードケースはここでも売っている。
確か2.5ユーロだったと思う。
2.5ユーロとは400円ほどである。
われわれのものは100円ショップで買ってきたものである。
なぜ、他の人はカードを首にぶるさげないのか。
おそらくはダサイ、みっともない、格好悪いということなのであろう。
それが当たり前の世界からくるとそういう感情が沸かない。
例えばデパートに入ってもオフィースビルに入っても、関係者みな首にカードをぶる下げている。
それがないと働く人は執務室も給湯室もいけない。
カードはセキュリテイーである。
よって部所が高くなるほど入室を許されるところが多くなり2枚、3枚と増えていく。
何かイベントがあればスタッフはそれ用のカードをかける。
もし何かあったらカードをブル下げている人に言ってください、その人は係員ですという証明でもある。
それが当たり前の社会ではカードをぶら下げることはダサくも格好悪くもない。
そいう感覚にならない。
だが、この船旅に参加している人は
『贅沢にして自由な時間を過ごしているのに、日常業務のイヤな思い出をよみがえらせるカードなどつけられるか』
と思っているのかもしれない。
もしかしたら、そういう感覚をもたない日本人が異常なのだろうかとも思ってしまう。
つまりエンジョイするときも管理されているのに慣らされてしまっている、と。
なぜなら、日本人以外誰もぶら下げていないのだから。
このカードを紛失したことがある。
部屋に戻って鍵をあけようとしたらカードがケースに入っていない。
落としたのか?とドッキリする。
でもケースに入ったカードが落ちるわけがない。
とするとカードをケースから出したときになる。
記憶をたどるとその行為をしたのはビッフェでビールを飲んだとき、認証のために出したことがある。
1時間ほど経っているが急いで戻ってみる。
保管されていた。
紛失ということでは娘がアイフォンをなくしたことがある。
いろいろ調べたがない。
落とした記憶もない。
しかたなく係に出向いたら、一つ届いているという。
娘のであった。
場所は劇場である。
出演者が客席を盛り上げるため立って拍手するよう要求することがある。
席を立つと座席が跳ね上がる。
どうもこのときこぼれ落ちたらしい。
翌日、小さなチョコレートを買って、届けてくれた客室にお礼をいった。
本人はいなかったが小さな女の子がいてアイフォンを見せると分かったようでチョコレートを置いてきたという。
ここの客室チームは面白いことをしてくれる。
バスタオルを使って動物を作るのである。
はじめはブタであった。
2つめは象さんである。
こういう形にされるとなんとも壊すのがもったいなく、タオルが使えなくなってしまう。
日本人も器用だが、ここの客室員もなかなかである。
客室は内部側なので灯りを消すと真っ暗になる。
本当に真っ暗になる。
薄明かりもない。
何も見えない。
トイレにもゆけない
しかたがないので夜はバスユニットのドアを少し開けて寝た。
豆電球くらいの常夜灯をドア前に欲しいものである。
コンセントは写真でみるようにマルチタップでほぼ世界の規格に合うようになっている。
ただし、特殊なオーストラリアの「ハの字」タイプには順応しない。
ということはクルーズとしてはオーストラリア人をターゲットにしていないということなのだろう。
アイフォンのコンセントもそなえられている。
このデイスク引き出しにドライアーがしまわれている。
よってドライヤーは持参しなくてもよい。
ちなみに娘の部屋のドライヤーが故障したがすぐに交換してくれた。
デイスクの右下には小さな冷蔵庫があって水・ジュース・ビールなどがちんまり入っていた。
ビールはハイネケンである。
飲もうとしたら栓抜きがない。
どこにもみあたらない。
係に聞いたらユニットバスの内側についていた。
ビールを飲むのにユニットバスに入らないといけないというのは「オツ」なのであろうか、それともできすぎているということか。
日本のユニットバスもそういう機能がついているようであるが。
ビールは2本入っているが飲んだ後補充されない。
そのスペースは空のまま下船を迎えることになる。
言えば補充してくれるのだろうが、一つ上のデッキに行けばビッフェがあって、無料おつまみ付きでビールは飲める。
なにもここで飲むこともない。
なを、はじめにビール券を買ったが最後は1枚は使わずに船を降りてしまった。
ユニットバスはシャワーで風呂はない。
それにトイレと洗面台がついている。
シャワーにはシャンプーとボデイローションがついており、固形の石鹸は支給されない。
コンデイショナー(リンス)はついていないので持参しないといけない。
また歯磨き歯ブラシもついていないので持参が要求される。
シャワーの上には引き込みしきのワイヤーハンガーがついている。
ポリエステル混入の乾きやすい下着なら洗って吊るしておけば一晩で乾く。
靴下などはようく絞ってタオルに入れて上から抑えこんで水分を抜き、一晩放置した後、ドライヤーを当てれば朝には履けるようになる。
なをランドリーサービスもむろんある。
以前に参加した方からドレスコードに「フォーマル」があるから気をつけてと注意されていた。
日常はジーンズなのにこの夜のためにのみでスーツをもってきた。
スーツはかさばらないが、困ったのは革靴。
えらくスペースを食う。
でもエッチラ運んできた。
食事はまずいがせっかくもってきたスーツを着ないで持ち帰るのもシャクだし、それにフォーマル・デイナーというものはどんなものか見てみたいという好奇心で出かけていった。
なるほどそこそこ皆、それなりの格好をしている。
女性陣はどこも華やかである。
なるほど素晴らしい。
ちなみにフォーマル・ドレスを着ていなくても入場を拒否されるわけではない。
忘れた人もいるし、はなから持ってこない人もいる。
日本人の中には和服姿の方もいた。
これを持参するのは並大抵のことではあるまい。
フォーマル・デイナーの時は記念写真をとるためにカメラマンが各席を回っている。
目的のデイナーだが、一昨日の経験から全く期待していなかった。
また冷凍食品を食わせるのだろうと思っていた。
だが、口をつけてみるとそこそこいける。
冷凍食品解凍料理とくらべて格段にアップしている。
「ウマイ!」とはいかないが、これならまあいいだろうというところまでには回復していた。
初日の料理があまりにマズ過ぎたということだ。
今夜はシアターでキャプテンの挨拶があるという。
ぜひとも見てみたいと出かけていった。
各部所の責任者が紹介されたあと最後にキャプテンが登場し挨拶となる。
そして特にその挨拶の一部が日本語に通訳されるというオマケがついていた。
なを今日のショーは歌曲である。