公式には『ようこそピレウスへ』である。
だがピレウス観光で下船する人などいない。
目的の大半はアテネでそれもアクロポリスの丘のパルテノン神殿。
よって『ようこそパルテノンへ』ということになる。
ピレウス港に着岸したファンタジアからどっと観光客が流れでる。
バスで1時間ほどだろうか、アテネ市内はすごいの一言につきる。
駐車の仕方が半端ではない。
道路の左右に駐車しているため車が通れるのは中央の残された部分のみ。
どうしてこんなことになっているのだろう。
さらにすごいのは車の汚さ。
屋根から窓ガラスにかけて埃はこびりついている。
買ってからこの方洗車したことがないのではないかと思える。
単純に考えると古い中層の建物が多くそれが住居用とすると駐車場がついていないので車を購入した人は仕方なく道路に置きっぱなしにする。
2階ぐらいに住む人はいいが、3階以上に居住していたらもう洗車のための水など運べない。
となれば汚れっぱなしになる。
車を購入する人に駐車場を義務付けることはこういう古い小さな街では不可能。
とはいえ駐車違反を厳しくすると住民からのクレームに直面する。
もはやこの国の交通事情は人知の及ぶ範囲にはないようである。
なるようになるさ、で行政もほっぽり出してしまっているのではないか。
そのうちこの街は車で身動きがとれなくなるのではないだろうか。
そんな思いがする。
アクロポリスから見るアテネの街。
さてパルテノン神殿だが、現在修復中。
工事現場である。
周囲には大きな石材が山積みされ、神殿内部では起重機が動いている。
こういう古い建築の修復には日本でもそうであるが長い時間と細心の考慮が払われる。
韓国の光化門のように特急で復元すると額のひび割れといったアクシデントが発生する。
まして石造建築ともなれば気の遠くなるような時間がかかることだろう。
その間、パルテノンは修復中という看板を掲げることになる。
已む得ないことである。
唖然とする。
歴史的建造物のスバラシサはアテナイというポリスがいかに強力であったのかという証でもある。
神殿というのは中が空っぽのものである。
日本の神社も同じように中は空っぽで礼拝する像などがおかれているわけではない。
礼像がおかれたり修行場になったりしているのは、寺院になりカテドラルになる。
神殿神社とは神々が降臨し集う場所であって単なる空間にしかすぎない。
動画でみるように修復中とはいえさすがに雄大にして高貴である。
このツアーのガイドのおばさんがまたすごい。
以前はレストランをやっていたそうだがやめてガイドになったという。
延々と歴史を語る。
そのうち飽きて一人減り二人減る。
残った人は去るわけにもゆかずにどうでもいい解説にいやいや付き合わされている。
『空気を読め!』といいたいのだが。
ガイドというのは表面的は基本説明をさらっとして、「ではみなさん、楽しんでください」というのが親切というものだ。
時間いっぱい本人の勝手な好みの歴史論を押し付けられたらたまったものではない。
ちなみにこのあとアテネのミュージアムへいったときは展示されている石像を実に丹念に解説していた。
よく勉強しているので感心するのだが、やはりどうもと首をかしげてしまう。
私などは一人でさっさと見て周り、出口の階段で腰をおろして長時間に渡って皆が出てくるのを待っていた。
バスがちょっと止まったのはパンアテナイ競技場。
2004のアテネオリンピックでマラソンの野口みずきがトップでテープを切ったところである。
https://www.youtube.com/watch?v=PmF4uYfdPeY
●北京五輪 野口金メダル
なをガソリンスタンドがところどころにある。
看板の多くは「168」とある。1.68ユーロということになる。
日本円なら1リッター250円に相当する。
やはりヨーロッパはガソリンが高い。
イタリアでは日本車はほとんど見かけない。
ヨーロッパ車一色である。
しかしギリシャに入ると日本車が出てくる。
現代自動車もたまに見かける。
交通事情があまりに過酷なので大型車はほとんど見かけない。
目についたのはあのベンツの2人乗りのスマートである。
イタリア・ギリシャにはぴったり似合っているかも。
スマートは日本の軽自動車より小さいようにみえるのだが、どうだろう。
今夜のデイナーは?
疲れているのでレストランはパスする。
胃が受け付けなくなっている。
軽くビッフェですませたあとシアターへいく。
ちなみにドレスコードは?
女芸になる。
昨晩のより私にはこちらの方が楽しめる。
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